2024年 11月 20日
居酒屋でのちょっと寂しい出来事
などという程のこともないですが、この暗がりですよ。前から車がきたらライトの光で下は何も見えない。一度は車道とは逆側の縁石に足を取られて転倒しかかり、進入禁止のゲートにもたれかかったこともありました。田舎の夜道って、本当に命がけです。昨年末には他の場所でものの見事に転倒しているし。その傷跡は今も消えないままです。
それでもなんだかんだ言ってこの街では三軒の居酒屋に通っていて、どこも良い店なのですが、いや、だったと言うべきでしょう、なかでも最も古くから訪れていた店で、少々情けないことがありました。
いつものように適当な挨拶をしながら生ビールをやり、お通しに箸を運んで一品注文したら、その品がどうも変。品になっていない。お皿が小さくなっていて盛り付けが半分になっている。なんとなくやっつけの感じ。お通しだってこれまでと違って随分素っ気ない。
あれ、どうしたのだろうと思いつつも、それは顔に出さず、まったく普段通りの世間話を語りつつも、どうも嫌な予感がしました。もしかして早く切り上げたほうが…。
お愛想をお願いしたら、えっと耳を疑う値段。もう三年通っているので完全に馴染の女将。その顔を一瞬見ました。嘘だろう。しかし女将は涼しい顔で笑っていました。
一瞬計算を間違えたのかと思ったのですが、多分そうではない。出てくる品の様子そのものが違っているから、これは商売が変わったのでしょう。多少の事情は想像がつきます。元からこの店は他の行きつけよりは割高でしたが、それでも居合わせた客によっては面白い話も聞けたので通っていました。しかしどちらかと言うと一人のことが多く、この頃は特に客の入りが悪い様子でした。昔見かけた人もとっと見なくなっている。
土地の古くからの常連に同じことをするかどうかはわかりませんが、私は他の街から飲みにきている。そんな事もあったかもしれないですが、明らかに店はなにかの支払いに困っている。以前からその気配は漂っていたのです。そう噂するひとがあった。