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叢樹

祇園精舎の鐘の声--ふふ、あっちは双樹ですがこっちは叢樹。単純に草むらに近い樹林です。枝の類を少々抽象風に扱えないかと思ったのですが、モノクロの、しかも水で溶くだけと言うこともあって徐々に墨絵に近くなっております。


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穂先が開いてしまって捨てるしかないような安物筆が面白いと何度も語っています。私のようなお金のない生き物は高価な筆を遠慮なく使うことはできません。これは絵の具も同様です。

枝分かれした穂先がどう当たるか知れないので精緻な絵は描けませんが、むしろそこが面白いのですね。どんなものからでも面白さは発見できるものだと痛感しております。片方ではガッシュは無論のこと、未だに油絵に未練があります。もう油彩は、それをやる余裕がまったくなくなってしまいましたが。しかしどの画材にも私を魅了するものがあります。とにかく今は手軽な状態を好んでいます。




三國連太郎さんが演じた利休の映画だったと思うのですが、大きめの刷毛を滑らせて襖絵を完成させるシーンがありました。あれは、多分等伯じゃなかったかと思うのですが、違ってたらごめんなさい。なかなかうまくそのシーンを撮影しておりまして、何度も撮り直しをするわけにもいかないので演じた人は大変だったのじゃないかと思いますが、そこはしかし映画屋のテクニックがあるのでしょう。カットを繋いだりしてね。しかし、描く者としてはあの雰囲気が欲しいと思うのです。無限の修練を繰り返した人の一発決め。

凡人にはまず無理です。一発決めを言いたがる人も現実には居ますが、まあ、あまりおっしゃらぬ方が…と思います。人は自分が見えない以上に自分の絵が見えません。

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ところで、これは少し前のことなのですが、ある朝洗面所の蛇口に虫が乗っかっていてビックリしました。わざわざなんでそんなところに居る。


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虫に疎い私でもこれはわかります。カメムシでしょ。箸の先っちょに乗っけて見たのですが、今まで見たやつよりちょっと大きめ。茶色い奴は見たことあるのですが。


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害虫ということなのでこいつの評判は悪いばかりです。亀の甲羅に似ているからその名が付いたのでしょうが、しかしその部分の質感は年季の入った鉄瓶みたいで悪くありません。

こんなのが何で入ってくるかと思うのですが、実はカメムシって現在の家の中で見た記憶はないのです。コオロギ、ムカデ、アシダカグモ、蛾、蜂、ナメクジ、カマドウマ--となんでもござれですが、カメムシは珍しい。

それでふと思ったのですが、何カ月も前から木を切っていて、その種類もいくつもあって、枝は何とか細かくして捨てるのですが葉っぱの掃除ができないままです。そういう部分には繁殖するとか書いてありまして、ちょっとギョッとしました。多少はやらんといかんかな。

でもね、そうしている内に寒くなっちゃったのですよ。ここから先は虫も少ない。ちょっと前までは蚊も居たけど、それももう居ません。なので、まあ大丈夫だろうと思っています。

この連中は害虫なので悪い噂ばかりでその滑稽な形からするとちょっと気の毒な気がします。臭いを出すとか、その辺があれみたいですが、幸いそれはありませんでした。このまま玄関からポイしてやりましたが、多少はマシな評価もないのですかね。

しかし虫連中は冬をどうやって過ごすのでしょうかね。地中でじっとしているのでしょうね。普段あまり考えたこともないですが、世の中は不思議なことばかりです。

適当に葉っぱは掃除します。いつかはやらないとね。身体が動くうちにと思って家回りをあれこれやっているのですが、実はなかなか進みません。きっと、ブログなんかをやっているせいだな。


by yumewomitamae | 2024-11-09 11:12 | アート | Comments(0)