2024年 10月 16日
池や沼が好きだった子供の頃
樹木の重なりは、おそらく風景画を描く人にとってはかなり厄介な対象物だと思われます。細かい無数の重なりを細大漏らさず描き写したとしても、実のところ結果は大抵退屈です。従ってそれをどう解釈して表現するかが問題になるのですが、そこで面白いことを思い出します。適当な動画を探せないのが残念ですが、キングコングという映画、多分誰でも知っているでしょうが、そのオリジナル。1933年製作のモノクロ映画。あの映画で表現されていたジャングルの映像。あれは精々三つか四つの明暗に分けてフィルムを重ねて演出したものだと思いますが、それがなかなか私にはしっくり来たものでした。見ようによっては、実物を撮影したものより絵画的でした。あの辺にヒントがあるなと思うのです。
とはいえローマは一日にして成らず。重ねるにも素描力が付かないと団子になりますし、苦労は絶えません。しかしそれを越えていく喜びもあり、気が付けばということがあります。絵の上達進歩はいつの間にかの世界ですね。筆使いも先日とは全然違っていますが、どの方面にも面白さが隠れていると思います。