7月最後は外出も大失敗--1

文章長いので今回も分割します。

やらかしてしまいました。別に7月最後だからという訳でもないけれど、何故かふと外出してみたくなって都内へ出ました。

ところが、いつのも如くどこを回ろうかなどと思案している内に時間ばかり経ってしまい、朝の内に出るつもりが遂に昼飯を食らい、そんなこんなで今日はやめよか、なんぞと思ったのですが、自分のそう言うところがダメなんだ。だからなにも達せられないんだ。そう自分を叱咤してエイヤ！で外出したのです。遅くなったって夏は陽が高い。平気平気。

ところが駅へ駆け込むと、タッチの差で特急を逃してしまい、凡そ15分次を待ったのでした。この頃は再開発で以前は止まらなかった駅に急行が止まるようになり、特急と急行では結構到達時間が違ってくるのでした。既にここからして、躓いていたのです。

で、どこを訪れたかというと、山手線の駒込というところです。池袋からJRに乗り換えです。

駒込は思い出深いところです。私は足立区の四畳半のベニヤアパート（ニベヤじゃないですよ）から、多少の経緯の後ようやくバイト程度の仕事を得まして白山（都営三田線）というところの六畳アパートに越したのです。その時の感激と言ったらちょっとしたものでした。これが六畳か、ひ、広い！

僅か1.5畳の違いはまさに驚愕すべきもので、冷蔵庫の隣で寝るのは変わりませんが、余裕が違います。しかもそれまでの共同ボットン式と違って水洗トイレが自室についていました。完全に生活レベルの違いを認識したものでした。そのアパートで図面関係の仕事を始め、傍らで壁にボードをぶら下げて絵を描く生活になりました。白山に越したのは仕事を切り回してくれる人が住まいしていたからです。そこでも机を借りてやっていました。

しかしながら、数年しない内に親元の事業が傾いて何度も金銭的な援助を求めてくるようになりました。そうなるとそこでの払いだけでは到底やっていけないので新たな仕事を掴もうとあちこち歩いてようやく代々木に仕事を出してくれるところを探したのです。白山からは駒込や巣鴨、あるいは逆に水道橋からJRを使って納品先に行くことができました。巣鴨はちょっと遠いけど駒込は歩ける距離でした。

駒込駅の東口、つまり小さな改札の方ですが、その北側の通りを少し行くと角っこに古くからあるケーキ屋さんがあります。ボンガトウとありますが、どういう意味ですかね。凡そ35年前、窓に近いテーブルに座って、当時の難しい状況を電卓弾いたりしてため息混じりに思案しました。店構えもそのテーブルも当時のままです。

アイスコーヒーでもと思い店に入って、経営は当時のままなのかと訊いてみたら、もう半世紀以上やっているのでということでした。答えてくれた女性店員さんはなかなか品のある方でしたね。今は血糖値の関係でケーキが食べられず、残念なことでした。隣りの女性たちのテーブルからサバランとかが聞えて来て、本当に悔しいことでした。しかしここは未練を断ち切りましょう。イザサバラン！

あっはっは、なんのこっちゃ。

この辺りも懐かしいところです。線路沿い。当時はなかった居酒屋さんが見えます。安そうだし寄ってみたかったけどねえ、予定を組んであったので…。それにしても雲行きが怪しいな…。

こっちは東口の南側です。駒込は西口が大通りに面していて改札が大きいのですが、街の雰囲気としては完全にこちらが好みです。再開発らしいものも行われていません。いまにそれも始まるでしょうが、馴染んだ雰囲気はそのまま残してほしいと思います。駒込から白山へは南に向かって、私のアパートまでは速足で十数分でした。

以後次回をお楽しみに！

なーんて誰も見ていなかったりして…。